子どもの体力づくりに付き合う、体力がない!そんな悩みを感じている方は少なくないのではないでしょうか。
とはいえ、外遊びの時間が少ない、すぐに「疲れた」と言う、家で座って過ごす時間が長いといった様子を見ると、子どもの体力不足は気になるものです。親が無理をしすぎると続かず、かといって放っておくと運動する機会はなかなか増えません。
そこで大切なのは、親が全力で動くことではなく、子どもが自然に体を動かしたくなる環境を作ることです。遊び方を少し工夫すれば、親は見守ったり声をかけたりするだけでも、子どもの活動量を増やしやすくなります。
この記事では、子どもの体力をつける方法として、親が走らずにできる遊びや、体力をセーブしながら続けやすい習慣づくりのコツを紹介します。無理なく取り入れられる方法から始めて、子どもが楽しく体を動かせる時間を増やしていきましょう。
子どもの体力づくりは親が走り回らなくても始められる
子どもの体力をつけるには、親も一緒に動かなければならないと思いがちです。しかし、親が毎回走り回る前提にすると、続けることが負担になってしまいます。まずは、親が動きすぎなくても子どもの活動量を増やせる考え方を整理しましょう。
体力づくりは特別な運動だけでなく日常の活動量が関係する
子どもの体力は、日々の活動量と関係があります。外遊びや徒歩での移動、階段の上り下りなど、体を動かす機会が増えるほど、持久力や筋力、バランス感覚は少しずつ育ちやすくなります。ただし、体力は活動量だけで決まるものではありません。睡眠や食事、休息も関わるため、無理に運動量を増やすのではなく、生活の中で自然に体を動かす時間を増やすことが大切です。
親が走らない前提で遊び方を考える
親が体力を削って付き合うよりも、親が続けられる形にすることが大切です。体力づくりは一日だけ頑張るものではないため、親が疲れ切らない仕組みを作ることが、結果的に子どもの運動機会を増やすことにつながります。
大切なのは子どもが自分で動きたくなる仕組みを作ること
子どもに体を動かしてほしいとき、その指示に親の”運動させたい”意図が見えると、子どもは「させられている」と感じて、かえってやる気をなくしてしまう場合もあります。
体力づくりで大切なのは、親が一生懸命誘うことではなく、子どもが自分から動きたくなるきっかけを作ることです。
「運動のため」と考えると親も子どもも構えてしまいますが、「遊んでいたら体を動かしていた」という形なら続けやすくなります。ラジコンを追いかける、風船を落とさないように動く、体を動かす動画を一緒に見るなど、道具や動画の力を借りることで、親が走り回らなくても子どもの活動量を増やしやすくなります。
親だけの声かけで何とかしようとせず、子どもが自然に反応したくなるものを取り入れることも、無理なく体力づくりを続ける工夫の一つです。
親の体力をセーブしながら子どもを動かす方法
子どもが選べる遊びにして自分から動きたくなる形にする
親が一方的に指示するよりも、子どもが選べる形にすると動き出しやすくなります。選択肢があると、子どもは「やらされている」ではなく「自分で決めた」と感じやすくなるからです。
たとえば、公園では「すべり台とブランコ、どっちから行く?」「遊具を回るのと砂場まで行くの、どっちにする?」と声をかけます。家の中でも、「ジャンプで行く?けんけんで行く?」「くまさん歩きとペンギン歩き、どっちにする?」と選択肢を出すと、遊び感覚で体を動かしやすくなります。
どちらを選んでも体を動かすことになりますが、子どもにとっては自分で決めた遊びです。親が「運動させよう」と前面に出すよりも、子どもが前向きに動きやすくなるでしょう。
親は実況係になって子どもの動きを盛り上げる
一緒に走らなくても、声をかけるだけで子どもの動きが増えることがあります。特に小さな子どもは、自分の動きを見てもらえたり、反応してもらえたりすると、同じ遊びを何度も繰り返しやすくなります。
たとえば、公園で遊具に登っているときに「おっと、すごいスピードで階段をのぼっています」「ここでジャンプが入りました」「最後のすべり台まできれいに決まりました」と実況してみます。家の中でも、「今の動き、忍者みたいだったね」「ぬいぐるみ運び選手権、かなりいいペースです」と声をかけるだけで、いつもの遊びが少し特別なものになります。
ポイントは、細かく指示を出すのではなく、子どもの動きを面白がって見守ることです。親は近くの場所にいながら声で参加できるため、体力を使いすぎずに子どもの遊びを盛り上げられます。
活動量を増やすのに、おもちゃの利用はアリ!
運動といわれると、つい身体ひとつで楽しまなければいけないような気がしてしまいますが、まず大切なのは活動量を増やすことです。子どもが思わず動きたくなるなら、おもちゃを利用するのも大いにアリです。
広場ではラジコンを走らせると、子どもが自然と後を追いかけたり、しゃがんで拾ったり、方向を変えながら動いたりしやすくなります。凧あげは、風に合わせて歩いたり走ったりする動きが入りやすく、竹とんぼも飛ばす・追いかける・拾うという流れの中で体を動かせます。
小さな子どもなら、プルトイのような引いて遊ぶおもちゃを外遊びに取り入れるのもおすすめです。動物の形をしたものなら「お散歩に行こう」と声をかけるだけで、ごっこ遊びとして歩くきっかけになります。車や電車などの乗り物タイプなら、「早い早い」「駅まで出発」と声をかけると、子どもが自分から歩いたり小走りしたりしやすくなります。
親が一緒に走り回らなくても、子どもが追いかけたくなるもの、連れて歩きたくなるものを用意するだけで、自然に活動量を増やせます。おもちゃを使うときは、人が多い場所や道路の近くを避け、親の目が届く範囲で遊ぶようにしましょう。
子どもが自然に動きたくなる習慣づくり
日常の動きを遊びにする
たとえば、手をつないで横断歩道を渡るときに、「白いところだけジャンプで行けるかな?」と声をかけると、いつもの移動がちょっとした遊びになります。階段を上るときに「今日は忍者みたいに静かに上れるかな?」と言ったり、家の廊下で「ここから洗面所までペンギン歩きで行こう」と誘ったりするのもよいでしょう。
買い物帰りには、「あの電柱まで大股で歩いてみよう」「次の角まで早歩きで行けるかな?」と声をかけると、歩く時間の中に自然と体を使う動きが入ります。公園では、「すべり台を3回やろう」と言うより、「上まで登ったら、すべって戻ってきてハイタッチしよう」と声をかけると、登る・すべる・戻るという動きが遊びの流れになります。砂場では「カップに砂を入れて、あっちのお店まで運んでみよう」と言えば、しゃがむ・立つ・歩く動きにつながります。
大切なのは、正しいフォームや回数にこだわりすぎないことです。体力づくりの入口では、上手にできるかよりも、子どもが「もう一回やりたい」と思えるかの方が重要です。遊びの中で走る、跳ぶ、登る、くぐる、しゃがむといった動きが入れば、特別な運動メニューでなくても活動量を増やせます。
先に親が楽しみ、もう一度やりたい空気を作る
子どもが体を動かしたあと、「すごいね」「上手だね」と褒めることも大切ですが、褒め方によっては子どもが評価されているように感じることがあります。特に、運動が得意ではない子どもは、「うまくできたかどうか」を気にしてしまい、次に動くことをためらう場合もあります。
そのようなときは、子どもの動きを評価するよりも、親が楽しそうに反応することを意識してみましょう。たとえば、公園で遊んだあとに「あー楽しかったね」、家の中でジャンプ遊びをしたあとに「今の見てておもしろかった」、散歩の帰りに「今日はいっぱい歩いて気持ちよかったね」と言うだけでも、体を動かした時間がよい思い出として残りやすくなります。
子どもは、親が楽しそうにしていると「またやりたい」と感じやすくなります。うまくできたか、何回できたかを確認するよりも、「一緒に過ごして楽しかった」「見ていて楽しかった」という空気を作る方が、次の行動につながることがあります。
親だけで抱えず習い事も選択肢にする
子どもの体力づくりを、家庭だけで完結させようとすると親の負担が大きくなります。スイミングや体操、ダンス、サッカーなどの習い事を選択肢に入れるのも一つの方法です。決まった曜日に体を動かす時間ができると、親が毎回遊び方を考えなくても、子どもの運動機会を作りやすくなります。
習い事を選ぶときは、体力をつけられるかだけでなく、子どもが楽しんで通えそうかを確認することが大切です。運動が苦手な子どもの場合、競争が強い環境よりも、できたことを認めてもらえる教室の方が続けやすい場合があります。体験レッスンでは、先生の声かけや教室の雰囲気、子どもの表情を見て判断するとよいでしょう。
また、親が送り迎えしやすい場所や時間かどうかも重要です。いくら内容がよくても、通うたびに親の負担が大きいと続けるのが難しくなります。子どもの楽しさと親の続けやすさの両方を考えながら、家庭での遊びと習い事を組み合わせていくと、無理なく体を動かす習慣を作りやすくなります。
まとめ│「いかに動かすか」ではなく「いかに楽しませるか」
子どもの体力をつけるには、親が毎回一緒に走ったり、全力で遊びに付き合ったりしなければならないと思いがちです。しかし、体力づくりで大切なのは、親が頑張って動くことではなく、子どもが自然に体を動かす機会を増やすことです。
徒歩での移動や階段の上り下り、外遊びの中での追いかける・拾う・しゃがむといった動きも、活動量を増やすきっかけになります。ラジコンや凧、竹とんぼ、プルトイなどのおもちゃを使ったり、動画や音楽の力を借りたりするのもよい方法です。「運動させる」のではなく、「遊んでいたら体を動かしていた」という形にすると、子どもも前向きに取り組みやすくなります。
また、子どもが動いたあとに「上手だったね」と評価するだけでなく、「あー楽しかったね」「見ていておもしろかった」と親が楽しそうに反応することも大切です。体を動かす時間が楽しい記憶として残ると、子どもは次もまたやってみたいと感じやすくなります。
家庭だけで続けるのが大変な場合は、スイミングや体操、ダンスなどの習い事を取り入れるのも一つの選択肢です。親の体力を守りながら、子どもが楽しく動ける方法を少しずつ増やしていきましょう。